口臭治療とは?
人と話すとき、「口臭が気になる」「口が臭いかも」と思ったことはありませんか?
口臭対策として様々な商品がありますが、最近では口臭治療を行っている歯科医院も増えてきましたので、いつでも口臭の相談をすることができます。
口臭が気になる人のために、口臭の原因と口臭治療の内容について、解説していきます。
口臭の種類
口臭には大きく分けると「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。
生理的口臭とは、誰にでもあるような口の中の臭いで、生活習慣が原因となっています。 一方、病的な口臭とは、身体的な病気が原因で起こる口臭のことです。
誰にでもある生理的な口臭は、一日三回歯磨きをしっかりしている人でも発生します。
日常生活の中で、ストレスや食べたものによって口臭のレベルが変化することもあります。
朝起きた時や空腹を感じた時に口臭が強くなる傾向がありますが、これは唾液の分泌に関係しています。
また、緊張しているときやストレスを感じているときなど、心身の状態によっては口臭が強くなることがあります。
口臭の原因
- 生理的口臭の場合
- 生理的口臭は、主に唾液の分泌量の減少が原因です。
唾液には、口の中を洗浄したり、臭いの原因となる細菌の繁殖を抑制したり、口腔粘膜を保護する役割があります。
唾液の分泌量が減ると、口の中が汚れ、口臭が発生しやすくなります。
特に起床時や空腹時には唾液の分泌量が減り、口臭が強くなります。
- 病的口臭の場合
- 一方、病的な口臭は、鼻や喉の疾患、呼吸器疾患、消化器疾患などの身体的な不調が原因であり、その9割は口腔内の疾患が原因と言われています。
主な原因は、虫歯、歯周病、舌の菌です。
歯周病では、歯周病菌が歯ぐきや歯を支える骨を攻撃して炎症を起こすと、メチルメルカプタンやジメチルサルファイド、硫化水素などが発生します。
これらは「揮発性硫黄化合物」と呼ばれ、臭いの原因物質と考えられています。
これらの臭い物質は、通常、単一の物質ではなく複数の物質が混ざることで口臭を発生させます。
また、歯周病が進行すると、舌苔と呼ばれる大きな細菌の塊が、歯肉だけでなく舌にも付着するようになります。
このように口の中で細菌が増殖することで、病的な口臭はますます強くなっていきます。
- 心理的な理由で起こることも
- 主な原因の2つ(生理的口臭と病的口臭)の口臭に加えて、自臭症というものがあります。
実際にはそれほど口臭がないにもかかわらず、自分の口臭が気になってしまう病気です。
他人のふとした行動で「自分は臭い」と思い込んでしまい、日常生活に支障をきたすことがあります。
精神科や心療内科での治療が必要です。
口臭の原因や病態を測定する「口腔内検査」
当院では、口臭が気になる患者さんのために口腔内検査を行っています。
口腔内検査では、口臭の原因が虫歯や歯周病によるものなのか、それとも他に原因があるのかを調べるために、唾液や舌の検査を行います。
人によっては、口腔粘膜疾患や舌疾患などの口腔疾患が口臭の原因となっている場合があります。
口臭治療のプロセス
初回は検査を含みますので、診察時間は約2時間30分をお願いします。
- 1.ご予約
- まずはご予約ください。 予約優先制となっておりますので、ご来院の際は必ずご予約をお願いいたします。
- 2.問診票記入
- 来院された際には、普段の生活習慣やお口の中の悩みなどを問診票に記入してください。 現在のお口の中の状態や、どのような時に口臭が気になるのかなど、詳しく書いていただけると助かります。
- 3.検査、診察
- 口腔内検査(唾液検査、舌検査など)を行います。
当院では主に病的口臭の検査・診断を致します。
主な検査・診断の手順と内容は以下の通りです。
【虫歯検査】
虫歯の有無と進行度の確認
【歯周病検査】
歯周ポケットの炎症の度合いを確認します
【舌診】
舌の汚れの量に異常がないかを確認します
- 4.診断
- 検査結果を分析し、口臭の原因を突き止めます。
- 5.治療
- 患者様の症状に応じて適切な口臭治療を行い、口腔内環境を健康な状態に改善していきます。
同時に、口臭を抑えるための正しい生活習慣も指導します。
病的口臭の治療は、虫歯や歯周病を治療することで、口の中の細菌が増殖し、臭い物質が作られることで、臭いの原因を取り除くことができます。
【虫歯の治療】
虫歯がある場合は、虫歯の治療が最優先です。
虫歯が歯の神経まで達していない場合は、プラスチックの詰め物や銀歯で覆うことで治療が完了します。
歯の神経が虫歯で感染している場合は、歯の根元の治療が必要になります。
歯の根元を治療した場合、完全に治るまでに1ヶ月以上かかることがあります。
【歯周病の治療】
歯周病の治療では、口臭の原因となる歯垢や歯石(結石)を除去します。
歯周病が進行すると、歯石が歯茎に付着することもあります。
このような場合は、まず歯茎の炎症を抑えるために歯茎の中の歯石を取り除き、歯茎が引き締まった後にスケーラーという器具を使って歯石を除去します。
歯周病の治療は、軽度の場合は約3ヶ月、重度の場合は約6ヶ月かかります。
【自分でできる毎日の口臭治療】
歯周病の治療では、歯の磨き方(ブラッシング法)も指導します。
患者さんの歯の磨き方をチェックし、歯周病予防のための効果的な磨き方を指導しています。
軽度であれば、2~3ヶ月で口臭が改善することもあります。
口臭の治療には、ブラッシングの努力が欠かせません。
歯磨きを正しく行うことで、口臭を早期に改善することができます。
- 6.再診
- 2回目の口臭測定器による検査では、1回目の検査結果と比較して、口臭が改善されているかどうかを確認します。
時間の目安は1時間~1時間30分です。
歯科医院以外での治療が必要な場合もある
口臭の原因の約9割は口腔疾患ですが、他の病気が原因で口臭が発生するケースもあります。
- 1:糖尿病
- 糖尿病では、体脂肪が変化してできるケトン体と呼ばれる物質が原因で口臭が発生することがあります。 ケトン体は独特の甘酸っぱい臭いがします。
糖尿病を患っている場合、歯周病の完治は難しく、場合によっては口臭の改善が難しいこともあります。
糖尿病を治療するためには、糖尿病専門医の診察を受ける必要があります。
- 2:逆流性食道炎
- 逆流性食道炎の場合は、食道の炎症が悪臭の原因になります。
逆流性食道炎の場合は、消化器科で胃カメラなどの検査を行い、それぞれの症状に合った治療を行う必要があります。
口臭が気になる場合は適切な治療を受けましょう
口臭は、口臭検査を受けて適切な治療を受ければ大きく改善されます。
実際、私が担当した患者さんは歯周病が非常にひどく、口臭が気になっていたのですが、適切な治療を行うことで口臭が劇的に改善しました。
口臭が改善されたことで、家族や友人との会話が活発になり、性格も明るくなりました。
患者さんの中には、自分の口臭を家族に相談できない人も少なくありません。
「口臭が気になるけど、どこに相談したらいいかわからない」場合は、ぜひ当院にいらしてください。