お子さんのあごの成長を利用した床矯正とは
床矯正(しょうきょうせい)とは、取り外しのできる矯正装置の1つで、子供の成長期の時期に治療をするのが望ましい矯正方法です。拡大床とも呼ばれたりします。
プラスチック製の床部分(レジン床)と金属線でできています、床部分にバネやネジを埋め込みキーでネジを回し床部分を開くことにより歯を拡大する装置です。
歯並びの不正は、歯が並ぶスペースが足りずに起こりやすく、スペースが足りない場合には歯を抜歯してスペースを作ることがあります。
床矯正は、歯を抜かなくてもよい可能性が高くなり、あごを広げて歯が生えるスペースを確保することを期待します。
また、歯の生え変わりの時期に歯の内側から力をかけるので、正しい位置に生えてくるようにガイドする役割もあります。
目次
床矯正ではできないこと
・歯並びを細かく整えることはできない
・根から歯を移動させること
床矯正はあごを広げてスペースを確保して、歯並びを整えることを目的にしているので、ワイヤー矯正やインビザラインのように、細かく歯並びを整えていくことはできません。
大人でも床矯正できるの?
大人のあごの成長が終わっているので、床矯正をメインに治療を行ったとしてもかなり時間がかかる可能性があります。
大人の方は他のインビザライン等のマウスピース矯正の補助的装置として床矯正を使用することがあります。その場合歯を並べるスペースを作るために床矯正で歯列弓を拡げ、その後インビザライン矯正で歯並びを整るといった治療がされる場合があります。
床矯正をやらない方がよい場合とは
お子さんの歯並びが出っ歯の場合には床矯正は適していません。
下あごに比べて上あごが大きいお子さんの場合、無理に歯を入れようとすると口元がすぼんだようになってしまうことも。
この場合、床矯正を行うと前歯が噛みにくくなることが考えられ、ワイヤー矯正の方が適している歯並びになります。
治療期間はあごの成長によって異なる
あごの成長に応じて治療期間は異なります。
また、床矯正装置は取り外しができるので、患者さまの協力が不可欠です。
1日14時間以上装着するので、お子さんの協力が得られない場合治療期間が長引いたり、理想の治療成果が出ない場合があります。
お子さんの性格や年齢を考慮して、歯並びがよくなることは将来メリットが多いこともきちんと理解してもらう必要があります。
その上で床矯正装置を行うかどうか判断していただきます。
床矯正の3つのメリット
- ワイヤー矯正に比べて痛みを感じにくい
矯正装置によって痛みの感じ方は変わります。
床矯正装置は取り外し式の装置で、ワイヤー矯正に比べて痛みを感じにくい特徴があります。
個人差がありますが、ワイヤー矯正は、「歯の表面につけた装置が当たって痛い」「ワイヤーを調整した時」に痛みが出る場合があります。
床矯正は、ワイヤーのしめつけがなく、マウスピースにねじがついた装置を使用するので、痛みがでにくいです。
- 床矯正装置は取り外しが可能
床矯正装置は取り外しができるので、食事や歯磨きを今まで通り行うことができます。
ワイヤー矯正の場合には、ワイヤーに食べ物が挟まりやすい・固いものを食べると装置が外れやすくなってしまうので制限がありました。
それに比べて、床矯正装置は食事や歯磨きに対する制限がありません。
- 永久歯の矯正の際に抜歯をしない可能性が高まる
あごが拡大できて、スペースができると抜歯をせずに永久歯の矯正をする可能性が高まります。
また、永久歯の生え変わりをある程度ガイドしている歯並びを整えているので、永久歯の矯正が必要になっても、治療期間を短縮できます。
床矯正の3つのデメリット
- 14時間以上つける必要がある
床矯正の適切な効果を得るためには、14時間以上装置をつける必要があります。
取り外しができる装置だからこそ、患者さまの協力が大切な治療です。
決められた時間装置をつけないと、治療計画通りに効果が得られない場合があります。
- 発音が分かりにくくなることがある
装置に慣れるまで、舌の動きが制限されることがあるので、発音が分かりにくくなる場合があります。
お子さまの年齢によっては、発音しにくくなることがストレスに感じるので、気になる場合は歯科医師のご相談ください。
- 適応できるタイミングが限られている
開始タイミングはお子さんによって異なりますが、永久歯が4本以上生え変わっていることが条件になります。
また、永久歯が全て生え揃っていると床矯正の適応にならない場合があります。
早ければよいというわけではありませんが、お子さんの歯並びが気になっている場合には、一度矯正の相談をすることをおすすめしています。
お子さんの歯並びによって適切なタイミングとよりよい矯正方法をご提案します。
【まとめ】
床矯正装置で矯正を行うと、永久歯の時に抜歯をしない可能性が高まることや床矯正装置で矯正が終わる可能性もあります。
ただし、取り外しができるので、お子さんの協力が大切な治療なので、協力が得られないと適切な治療結果が得られない場合があります。
お子さんとも歯並びが悪いと起きる影響・歯並びがよくなると起きるメリットをきちんと話してから治療をスタートさせましょう。
お子さんの歯並びが気になった場合には、お子さんの矯正も幅広く行っておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
当院はJR大阪駅北口から直結、グランフロント大阪南館4階にございます、関西は大阪梅田、岸和田市、京都市、和歌山市に分院があります。
当院のマウスピース矯正の症例数は年間900症例以上(※)あり、ブルーダイアモンドプロバイダーを受賞しております。関西でインビザライン矯正をお探しの方は一度無料相談(相談検査費無料)にお越しください。
※2022年度グループ全体のマウスピース矯正症例数
治療内容
カスタムメイドで制作されたマウスピースを定期的に交換しながら少しずつ歯に適切な力をかけて歯並びを整えていく矯正治療です。
標準的な費用(自費)
矯正治療費、相談・検査・診断料 無料、調整料 無料
インビザライン(マウスピース治療)
547,800円〜822,800円(税込)
治療期間及び回数
症状によりますが、一般的に2年前後の治療期間となります。
通院回数は、治療段階によりますが、通常2〜3ヶ月に1回です。
副作用・リスク
装着時間が少ないと治療期間が長引く可能性があります。
他の矯正治療法と同様に、疼痛・歯根吸収・歯肉退縮の可能性や適切な保定をしないと治療後に後戻りすることがあります。
医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項
・インビザライン完成物は、日本国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
尚、インビザラインの材料自体は、日本の薬事認証を得ています。
・「インビザライン」は米国アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザリアン・ジャパン社から入手しています。
・日本国内においては、同様の医療機器が薬事認証を得ています。
・インビザライン・システムは、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える患者さまが治療を受けています。(2020年10月時点)