セルフホワイトニングで白くならない?考えられる原因と対処法をプロが解説
「市販のホワイトニング歯磨き粉を毎日使っているのに、全然白くならない…」
「セルフホワイトニングサロンに何度か通ったけど、効果が一時的ですぐ元に戻ってしまう…」
せっかく時間や費用をかけたのに、期待したような効果が出ないとがっかりしてしまいますよね。ご自身で行うホワイトニングが、なぜ効果を発揮しにくいのか、それにははっきりとした理由があります。
当記事では、歯科専門家の立場から、セルフホワイトニングで満足な結果が得られにくい理由と、あなたに合った本当の対処法について詳しく解説します。
目次
どこまでできる?「セルフ」と「歯科医院」のホワイトニングの違い
多くの方が混同しがちなのですが、「歯の汚れを落とすこと」と「歯を白く(漂白)すること」は全くの別物です。効果が出ない原因のほとんどは、この違いを理解することで見えてきます。
セルフ(市販品・サロン)の役割
市販のホワイトニング歯磨き粉や、ホワイトニングサロンで主に行われるのは、歯の表面についた着色汚れ(ステイン)を「落とす」ことです。これにより、飲食や喫煙などで汚れる前の「ご自身の本来の歯の色」に近づけることはできますが、それ以上に白くすることはできません。

歯科医院の役割
一方、歯科医院で行うホワイトニングは、専門的な資格を持つ歯科医師・歯科衛生士のみが取り扱いを許可されている「過酸化水素」や「過酸化尿素」といった成分(漂白成分)を使用します。この作用によって歯質内部の色素を分解できるため、歯本来の色調を内側から明るく「漂白」できます。結果として、「ご自身の本来の歯の色以上に白くする」ことができます。

両者の違いをまとめたのが、以下の比較表です。
項目 | セルフホワイトニング(市販品・サロン)![]() | 歯科医院のホワイトニング![]() |
---|---|---|
目的 | 歯表面(エナメル質)の着色汚れの除去 | 歯自体(エナメル質・象牙質)の色を白くする(漂白) |
使用薬剤 | 炭酸水素ナトリウム、ポリリン酸など(漂白作用なし) | 過酸化水素、過酸化尿素など(医療資格が必要) |
白さの限界 | 本来の歯の色まで | 本来の歯の色以上に白くできる |
即効性 | 穏やか | 高い(特にオフィスホワイトニング) |
安全性 | 自己責任(専門家の診断なし) | 歯科医師・歯科衛生士が管理 |
費用 | 低価格〜 | 専門的なケアのため比較的高価 |
向いている人 | ・軽い着色汚れが気になる ・ホワイトニング後の色維持 | ・本来の歯の色以上に白くしたい ・安全性を重視したい |
セルフホワイトニングで歯が白くならない「5つの原因」
比較表を見て「なるほど」と思われた方も多いかもしれません。それを踏まえ、歯が白くならない原因をさらに具体的に見ていきましょう。
- 原因①:そもそも「漂白」ではなく「着色除去」しかできていない
- この根本的な違いを理解されていないことが、最もよくある原因です。ご自身の本来の歯の色がもともと黄色味を帯びている場合、いくら表面の汚れを落としても、理想とするレベルの白さを実現するのは難しいでしょう。
- 原因②:長年蓄積された、頑固な着色汚れ(ステイン)
- 日常的に摂取するお茶やコーヒー、色の濃い食事や喫煙習慣などは、長年にわたって歯の表面に蓄積され、頑固な汚れとなります。こうした根深いステインは、市販品の穏やかな成分では完全に落としきることが困難です。
- 原因③:歯の内部の色が原因(加齢・テトラサイクリン歯など)
- 歯の白さは、表面のエナメル質とその内側にある象牙質の色で決まります。
- 加齢の影響:年を重ねると歯の表面にあるエナメル質が薄くなり、その内側にある象牙質(元々黄色い)の色が透けて見えやすくなります。
- 薬剤の副作用:幼少期に特定の抗生物質(テトラサイクリン系)を服用した場合、歯の色がグレーっぽく変色することがあります。
- 神経が死んだ歯:虫歯や外傷で歯の神経が死んでしまうと、歯が内側から黒ずんできます。
これらの内部からの変色は、表面ケアであるセルフホワイトニングでは効果がありません。
- 原因④:詰め物・被せ物の変色や、それらと天然歯の色の差
- 虫歯治療で使われるレジン(プラスチック)や、被せ物(クラウン)などの人工物は、ホワイトニング剤を使ってもその色調は変化しません。ご自身の天然の歯のみがトーンアップすることで、かえって人工物の色が目立ってしまい、「まだらに見える」という結果になることがあります。
- 原因⑤:虫歯や歯石の存在
- 歯の表面に歯石が厚く付着していると、ホワイトニング剤が歯に直接作用するのを妨げてしまいます。加えて、虫歯があるにもかかわらずホワイトニングをしてしまうと、歯に強いしみや痛みを感じる恐れがあるため、セルフケアは絶対に避けるべきです。
効果が出ないときの「3つの対処法」
「一体どうすれば歯を白くできるの?」とお困りの方のために、プロが推奨する具体的な対処法を3つのステップでご紹介します。
- 対処法①:まずは歯科医院で「本来の歯の色」を取り戻す
- 全ての基本は、プロによるクリーニング(PMTC)です。
歯科医院では、専門の機器と技術を使って、セルフケアでは決して落としきれない歯石やバイオフィルム(細菌の膜)、頑固なステインを徹底的に除去します。これだけでも「歯がワントーン明るくなった」と実感される方は非常に多く、ご自身の本当の歯の色を確認することができます。
- 対処法②:「歯そのものの色」を白くしたいなら、歯科医院のホワイトニングを検討
- クリーニングで歯をリセットした上で、「もっと白くしたい」と望むなら、ここからが本格的なホワイトニングの出番です。
- オフィスホワイトニング:歯科医院で高濃度の薬剤と特殊な光を使って一気に歯を白くする方法です。短期間で結果を出したい方に適しています。
- ホームホワイトニング:歯科医師による適切な管理のもと、ご自宅で専用のマウスピースと低濃度の薬剤を使ってじっくり白くする方法です。白さが長持ちしやすいというメリットがあります。
- オフィスホワイトニング:歯科医院で高濃度の薬剤と特殊な光を使って一気に歯を白くする方法です。短期間で結果を出したい方に適しています。
- 対処法③:特殊な変色には、ホワイトニング以外の選択肢も
- 加齢や薬剤、神経が原因の変色に対しては、ホワイトニングだけでは満足のいく結果が得られないことがあります。その場合は、歯の表面に薄いセラミックを貼り付ける「ラミネートベニア」や、歯全体を覆う「セラミッククラウン」といった治療法も選択肢になります。
まとめ
セルフホワイトニングは手軽ですが、その効果は主に「歯の表面の汚れを落とす」ことに限定されます。もし効果を実感できないのであれば、それは頑固なステインや歯の内部の色が原因かもしれません。
理想の白い歯を手に入れるための最も確実な第一歩は、まず歯科医院でご自身の歯の現状を正確に知ることです。専門家によるクリーニングで本来の歯の色を取り戻し、その上で最適な方法を相談してみてはいかがでしょうか。
なぜご自身の歯は白さを取り戻せないのか、その原因を正確に知ることが、理想の白さを手に入れる近道です。まずはお気軽に専門家によるカウンセリングにご相談ください。
理想の白い歯へ、プロにご相談ください
当院は、ホワイトニングの専門知識と豊富な実績を持つ「ホワイトエッセンス」に加盟しております。歯科医師が常駐する医療機関として、患者様一人ひとりのお口の状態を正確に診断し、ご希望に合わせた最適なホワイトニングプランをご提案します。オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングはもちろん、歯のクリーニング(PMTC)だけでも、お口の中は驚くほど変わります。セルフケアとの違いを、ぜひ一度ご体感ください。歯科医院でのホワイトニングだけ本来の歯の白さ以上のブリーチシェードを目指せます。

■ホワイトニング
内容:ホワイトニング材とホワイトニング専用照射器を併用して歯を白くします。
費用(自費):19,900円~118,800円(税込)
期間、回数:(単品の場合)1日・1回 (コースの場合)1~3か月・3~5回
副作用・リスク:個人差がありますが、施術中や施術後に歯がしみる場合があります。