インビザラインアタッチメントとは？その役割と重要性
インビザラインは、透明なマウスピースを用いた歯列矯正方法で、その見た目の自然さや取り外しができる利便性から、多くの患者に支持されています。
しかし、インビザライン単体では対応が難しい症例も存在し、そこで活躍するのが「アタッチメント」です。
アタッチメントは、歯に装着される小さな突起物で、治療効果を最大化するために重要な役割を果たしています。
目次
アタッチメントの基本的な機能
アタッチメントは、インビザライン治療において重要な役割を果たしますが、その機能は単なる補助にとどまらず、治療の成功に直結しています。具体的には、アタッチメントは次の2つの機能を持っています。
マウスピースの固定力を強化
インビザラインのマウスピースは、歯にしっかりと密着しなければ正しい力を伝えることができません。
しかし、複雑な歯並びや歯の形状によっては、マウスピースが浮き上がってしまうことがあります。
この問題を解決するのがアタッチメントであり、歯に対するマウスピースの密着性を向上させ、矯正力を効率的に伝達します。特定の歯の移動を促進
インビザラインは、ワイヤー矯正と比較して、歯を任意の方向に動かす能力が制限されることがあります。
しかし、アタッチメントを使用することで、特定の歯に対して精密な矯正力を加えることが可能となり、ねじれた歯や傾いた歯を正しい位置に戻すことができます。これにより、複雑な症例にも対応できるようになります。
通常アタッチメントと最適アタッチメント
インビザライン治療で使用されるアタッチメントには、大きく分けて「通常アタッチメント」と「最適アタッチメント」の2種類があります。それぞれの役割と特性について詳しく見ていきましょう。
通常アタッチメント
歯科医が患者の歯や骨の状態や治療計画に基づいてシミュレーション上で手動で設置するアタッチメントです。
形状や大きさは、長方形や楕円形などが一般的で、治療の必要性に応じて歯科医が決定します。このアタッチメントは、歯に加わる力を補強し、マウスピースの密着性を高めることで、歯をより効果的に移動させる役割を持っています。大きさや厚さが調節できるため用途に応じてアクティブサーフェス（アタッチメントが作用する面）を最大に活用できるように考慮し設置するのが一般的です。
最適アタッチメント
インビザラインの設計段階で、アライン・テクノロジー社のシミュレーションソフトウェアによって自動的に設定されるアタッチメントです。これらは、特定の歯の動きや複雑な矯正に対応するために、治療計画に組み込まれています。
例えば、歯根をコントロールする「ルートコントロール用アタッチメント」や、ねじれた歯を回転させる「回転用アタッチメント」など、目的に応じてさまざまなタイプが存在します。
アタッチメントの種類と詳細な用途
インビザラインで使用されるアタッチメントには、さまざまな種類があります。
それぞれが異なる目的で使用され、特定の症例に対応するために設計されています。
ルートコントロール用最適アタッチメント
歯の根っこ（ルート）を動かす際に使用され、傾いた歯やすきっ歯の治療に役立ちます。主に前歯に装着されることが多いです。
回転用最適アタッチメント
ねじれている歯を回転させるために使用されます。このアタッチメントは、歯の回転方向に応じた斜面を持っており、犬歯や奥歯に装着されることが一般的です。
アンカレッジ用最適アタッチメント
抜歯が必要な症例に対応するために設計されています。抜歯によって生じたスペースを埋めるため、歯が移動しやすくなり、効果的な矯正が可能となります。
オープンバイト用最適アタッチメント
前歯が噛み合わない開咬（オープンバイト）の治療に使用される挺出用のアタッチメントです。前歯に装着され、歯を適切な方向に導くことで、咬み合わせを改善します。
ディープバイト用最適アタッチメント
過蓋咬合（ディープバイト）の矯正に使用されるアタッチメントで、主に下の前歯や小臼歯に装着されます。このアタッチメントは、奥歯の咬み合わせを調整し、過剰な咬合を改善します。
アタッチメントの装着時期とケアの重要性
アタッチメントは、治療の進行に応じて装着される時期が異なります。多くの場合、治療の初期段階で装着され、治療が完了するまで取り外されませんが、症例によっては一時的に取り外されることもあります。
また、アタッチメントの装着には適切なケアが必要です。アタッチメントが取れてしまった場合は、速やかに歯科医院に連絡し、再装着を依頼することが重要です。長期間放置すると、治療に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、アタッチメントが着色しやすい素材でできているため、カレーやコーヒーなどの着色しやすい飲食物を摂取する際は注意が必要です。これにより、見た目に悪影響を与える可能性があるため、日常的な口腔ケアが不可欠です。
アタッチメントの効果と治療への影響
インビザラインのアタッチメントは、治療の成功に欠かせない重要な要素です。
従来のインビザラインでは対応が難しかった複雑な症例に対応できるようになったのは、アタッチメントの効果によるものです。
例えば、ルートコントロールや歯の回転といった複雑な動きが可能となり、治療の幅が広がりました。
さらに、アタッチメントの使用により治療期間が短縮されることが期待でき、患者にとって大きなメリットとなります。
また、アタッチメントが施されていることで、歯に対する力が均等に加わり、より精度の高い矯正が可能となります。
これにより、治療後の結果がより理想的なものとなるでしょう。
まとめ
インビザラインのアタッチメントは、透明なマウスピース矯正の効果を最大限に引き出すための重要な要素です。
症例に応じた適切なアタッチメントの使用により、従来の方法では対応が難しかった症例にも対応でき、治療の成功率が高まります。
アタッチメントの効果を理解し、歯科医師と協力しながら治療を進めることで、理想の歯並びを手に入れることができるでしょう。
インビザラインを検討している方は、まず歯科医師としっかりと相談し、最適な治療プランを選びましょう。
当院はJR大阪駅北口から直結、グランフロント大阪南館4階にございます、関西は大阪梅田、岸和田市、京都市、和歌山市に分院があります。
当院のマウスピース矯正の症例数は年間900症例以上(※）あり、ブルーダイアモンドプロバイダーを受賞しております。関西でインビザライン矯正をお探しの方は一度無料相談(相談検査費無料)にお越しください。
※2022年度グループ全体のマウスピース矯正症例数
治療内容
カスタムメイドで制作されたマウスピースを定期的に交換しながら少しずつ歯に適切な力をかけて歯並びを整えていく矯正治療です。
標準的な費用（自費）
矯正治療費、相談・検査・診断料 無料、調整料 無料
インビザライン（マウスピース治療）
198,000円〜855,800円（税込）
治療期間及び回数
症状によりますが、一般的に2年前後の治療期間となります。
通院回数は、治療段階によりますが、通常2〜3ヶ月に1回です。
副作用・リスク
装着時間が少ないと治療期間が長引く可能性があります。
他の矯正治療法と同様に、疼痛・歯根吸収・歯肉退縮の可能性や適切な保定をしないと治療後に後戻りすることがあります。
医薬品医療機器等法（薬機法）に関する記載事項
・インビザライン完成物は、日本国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
尚、インビザラインの材料自体は、日本の薬事認証を得ています。
・「インビザライン」は米国アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザリアン・ジャパン社から入手しています。
・日本国内においては、同様の医療機器が薬事認証を得ています。
・インビザライン・システムは、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える患者さまが治療を受けています。（2020年10月時点）
