歯科治療中にお酒はOK?歯への影響と注意点を解説
こんにちは、ホワイトエッセンス梅田大阪矯正歯科です。
お仕事帰りや休日に、美味しいお酒とお食事を楽しむ機会が多い患者様もたくさんいらっしゃいます。「歯医者に行く前後にお酒飲んでもいいの?」「ホワイトニングの後に赤ワインはよくないですよね?」といったご質問は、カウンセリングの現場でも非常によく承ります。
お酒好きの方には気になる内容かと思いますが、実は「歯」や「お口の健康」、そして「歯科治療の進行」に少なからず影響を与えることが、近年の研究でわかってきています。
今回は、研究データや論文をもとに、「アルコールが歯科治療に与える影響」について、詳しく、かつ分かりやすく解説していきます。皆様が安心して治療を受けられるよう、医学的な根拠に基づいた情報をお届けします。少し長めですが、美しく健康な歯を守るために、ぜひ最後までお付き合いください。

目次
アルコール摂取が歯科治療に与える影響とは?
お酒(アルコール)は、適量であればリラックス効果やコミュニケーションの潤滑油として機能する面もあると思いますが、口腔内の環境にとっては、いくつかの注意点が存在します。
過度なアルコール摂取は、虫歯や歯周病、歯の摩耗、着色汚れ(ステイン)、さらには口腔がんのリスクを高めることが知られています。これらの一般的なお口のトラブルは、当然ながら、現在進行中の歯科治療の結果にも影響を及ぼします。
ここでは、一般的な歯科治療への影響から、当院の専門分野である「歯列矯正」や「ホワイトニング」への具体的な影響まで、科学的なエビデンス(根拠)を交えて紐解いていきましょう。
1. お口全体の健康と一般的な歯科処置への影響
まずは、アルコールがお口の中全体にどのような変化をもたらすのか、基本的なメカニズムを見ていきます。
- 歯周病リスクと骨の健康
- お酒を頻繁に、あるいは大量に飲む習慣がある方は、歯周病のリスクが高まることが報告されています。2020年に行われた分析によると、アルコールを摂取する習慣がある人は、飲まない人に比べて歯周病(歯周炎)にかかる確率が約1.26倍高いという結果が出ています。
長期間にわたる過度な飲酒は、お口の中の細菌バランス(マイクロバイオーム)を乱し、免疫反応を変化させます。これにより、歯茎の炎症が起きやすくなり、最悪の場合、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまうリスクがあります。インプラント治療や矯正治療は、土台となる「健康な骨」があってこそ成り立つ治療ですので、過度な飲酒は治療の成功率を下げる要因になり得ます。 
- 虫歯のリスクと「ドライマウス」
- 「お酒を飲んでそのまま寝てしまった」という経験はありませんか?
慢性的なアルコール摂取は、虫歯のリスクを高めます。その大きな原因の一つが「口の乾燥(ドライマウス)」です。アルコールには利尿作用があり、体内の水分を奪うとともに、唾液の分泌を減少させます。
唾液には、お口の中の酸を中和し、汚れを洗い流し、歯を修復する(再石灰化)という非常に重要な役割があります。唾液が減ると、これらの防御機能が働かなくなり、菌が繁殖しやすくなるのです。
さらに、甘いカクテルやリキュールには多量の糖分が含まれており、ワインやチューハイなどは酸性が強い飲み物です。「唾液の減少」+「糖分・酸」の組み合わせは、歯のエナメル質を溶かし、虫歯や歯が溶ける酸蝕歯(さんしょくし)を引き起こす大きな要因となります。 
- 傷の治りと外科処置への影響
- 抜歯やインプラント手術など、外科的な処置を受けた後の飲酒には特に注意が必要です。
アルコールは血行を良くする一方で、血液が固まるのを防ぐ作用や、脱水作用があります。抜歯後の傷口は「血餅(けっぺい)」という血の塊ができることで治癒に向かいますが、アルコールによってこの血餅ができにくくなったり、剥がれたりすると、「ドライソケット」と呼ばれる激痛を伴う治癒不全を引き起こすリスクが高まります。 
また、アルコールは炎症反応やコラーゲンの生成プロセスを阻害するため、傷の治り自体が遅くなることもあります。一般的には、抜歯後少なくとも24〜72時間、大きな手術の場合は7〜10日間はお酒を控えることが推奨されています。
- お薬との飲み合わせ(相互作用)
- 歯科治療中には、痛み止め(鎮痛剤)や化膿止め(抗生物質)が処方されることがあります。これらのお薬とアルコールを同時に摂取するのは非常に危険です。
例えば、一般的な鎮痛剤とアルコールを併用すると、胃への負担が増したり、肝臓にダメージを与えたり、眠気やふらつきが強く出たりすることがあります。特に、特定の抗生物質(メトロニダゾールなど)とアルコールの組み合わせは、激しい吐き気や頭痛などの重篤な反応を引き起こす可能性があります。治療期間中は、担当医に普段の飲酒習慣を正直に伝え、指示に従うことが大切です。
アルコールが「歯列矯正(ワイヤー・マウスピース)」に与える影響
矯正治療を検討中、あるいは治療中の患者様にとって、「お酒は矯正の進み具合に関係するのか?」は気になるポイントかと思います。
歯列矯正は、骨の代謝(リモデリング)を利用して歯を動かします。骨が吸収され(溶け)、新しく作られるというサイクルによって歯は移動します。アルコールはこの骨の代謝に影響を与えるため、研究者たちはその関連性を調査してきました。
- 歯の動くスピードへの影響:動物実験でのデータ
- 動物実験のレベルでは、大量のアルコール摂取が歯の移動を遅らせる可能性が示唆されています。
ある研究では、ラットに30日間、大量のアルコールを与えた後、矯正力をかけました。その結果、アルコールを摂取したラットは、骨を吸収する細胞(破骨細胞)の働きが弱まり、歯の移動スピードが遅くなったことが確認されました。
これは、過度なアルコールが骨の代謝回転を抑制し、スムーズな歯の移動を妨げる可能性があることを示しています。生物学的には、アルコールが引き起こす酸化ストレスや炎症が、矯正治療に必要な細胞の働きを邪魔してしまうと考えられています。
- 人間ではどうなのか?(適量なら大丈夫?)
- 一方で、人間に近い状況や、適量の飲酒についてはどうでしょうか。 2023年の論文では、様々な飲み物が矯正治療に与える影響を調査しました。その結果、「アルコール摂取は、全体として歯の移動速度に有意な影響を与えなかった」と報告されています。
(ちなみに、カフェインは移動を早める傾向があり、炭酸飲料は遅らせる傾向があったそうです。)
この結果から言えることは、「適度な社会的飲酒(嗜む程度)であれば、矯正治療の期間や結果に大きな悪影響を与える心配は少ない」ということです。ただし、毎日大量に飲むような習慣がある場合は、骨の代謝に悪影響を及ぼし、治療が長引くリスクになり得るため注意が必要です。
- 矯正中のリスク管理:歯周病と清掃性
- 矯正治療におけるアルコールの最大のリスクは、実は「移動スピード」よりも「歯周病の悪化」と「衛生管理の低下」かもしれません。
矯正装置(ブラケットやアタッチメント)がついている状態は、ただでさえ歯磨きが難しくなります。そこへアルコールによる炎症作用や、酔って歯磨きがおろそかになる状況が重なると、歯茎の腫れ(歯肉炎)や虫歯が進行してしまうことがあります。
歯茎の状態が悪いと、矯正治療を一時中断しなければならないこともあるため、治療中はお酒の席でもお水を挟む、帰宅後は必ず丁寧に歯を磨くといった自己管理が成功の鍵となります。 
アルコールが「ホワイトニング」に与える影響
「ホワイトニングをした直後は、色の濃いものを食べてはいけない」という話を聞いた方もいるかもしれないです。では、赤ワインや色の濃いカクテル、ビールはどうなのでしょうか?
ホワイトニングは、薬剤(過酸化物)を使って歯の内部の色素を分解し、白くする処置です。このプロセスにおいて、アルコールがどのような影響を持つのか、最新の見解をご紹介します。
- 施術直後は注意!「着色(ステイン)」のリスク
- ホワイトニング直後の歯は、表面の保護膜(ペリクル)が剥がれ、一時的に乾燥して「脱水状態」になっています。この状態の歯は、スポンジのように水分や色素を吸収しやすくなっています。
実験室での研究でも、ホワイトニング直後のエナメル質を赤ワインに浸すと、通常よりも多くの色素を吸収してしまうことが確認されています。 不安な方は、特にオフィスホワイトニング直後は、赤ワインや色の濃いビール、カクテルなどを控えてもいいかもしれないです。どうしても飲む場合は、ストローを使って歯に触れないようにする、すぐにお水でゆすぐなどの工夫が必要です。
※当院ではホワイトニング後30分の飲食を控えるようにお伝えしています。
- 白い食べ物を食べないといけない?
- 色の濃い食べ物は長期的には着色の原因になります、しかし、「じゃあ白い食べ物を絶対食べないと!」あまり神経質になりすぎる必要はないかもしれません。
2024年に発表された臨床研究では、ホワイトニング期間中に、コーヒーや赤ワインなどの着色性飲料を摂取したグループと、摂取を制限したグループを比較したところ、「最終的なホワイトニングの効果(白さの度合い)には、統計的な差がなかった」のです。
これはどういうことかというと、ホワイトニング期間中に多少色のつくものを飲んだとしても、ホワイトニング剤の漂白作用がそれを上回るか、あるいは日々のブラッシングで除去できる範囲である可能性を示唆しています。
つまり、「昨夜赤ワインを一杯飲んでしまったから、ホワイトニングが失敗した!」と落ち込む必要はありません。長期的には、適度な量であれば結果に大きな差は出ないということです。
- 「知覚過敏」への影響
- ホワイトニングの副作用として一般的な「知覚過敏(歯がしみる症状)」。
アルコールには血管を広げる作用や刺激性があるため、知覚過敏を悪化させる可能性があります。特に、冷たいビールや炭酸の入ったハイボール、酸味の強いワインなどは、ホワイトニング直後の敏感な歯には強い刺激となり、ズキッとした痛みを引き起こすことがあります。
施術当日から翌日くらいまでは、刺激の強いアルコールは控え、常温のお水などを中心にすることをお勧めします。
まとめ:お酒と上手に付き合いながら、理想の歯を手に入れるために
ここまでの内容をまとめます。
お口全体への基本的影響
過度な飲酒は、歯周病、虫歯、抜歯後の治癒不全のリスクを高めます。お口の健康の土台を守るため、飲み過ぎには注意しましょう。
矯正治療中の注意点
飲酒した後は歯磨きがおろそかになりやすいため、飲酒後のケアは入念に行いましょう。移動スピードへの影響は適量なら心配ありません。
ホワイトニング後の注意点
施術直後は歯が着色しやすいので、赤ワインなどは控えるのが無難です。ただし、長期的には適度な摂取が最終結果を大きく損なうことはありません。
結論として、「禁酒」までする必要はありませんが、「節度を持った飲酒」と「飲んだ後のケア」が、治療の成功と美しい仕上がりを左右します。
お酒を飲むときは、同量のお水をチェイサーとして飲むことで、お口の中の酸や糖分を洗い流し、脱水を防ぐことができます。これは二日酔い防止だけでなく、歯を守るためにも非常に有効なテクニックです。
当院「ホワイトエッセンス梅田大阪矯正歯科」について
私たちホワイトエッセンス梅田大阪矯正歯科は、大阪・梅田の地で、皆様の「素敵な笑顔」をつくるお手伝いをしております。
当院の特徴は、単に歯並びを整えたり白くしたりするだけでなく、「心からリラックスできる空間」と「確かな技術」を融合させている点です。
ホワイトエッセンスならではの、まるでエステサロンのような個室空間で、五感を癒やしながら施術を受けていただけます。
- 矯正歯科: マウスピース矯正(インビザライン・Smartee)からワイヤー矯正まで、患者様のライフスタイルに合わせた最適なプランをご提案。
- ホワイトニング: 症例実績豊富なプロフェッショナルによる、痛みに配慮した効果の高いホワイトニング。
- クリーニング: 普段の歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去し、極上のツルツル感や本来の歯の白さを提供します。
お仕事帰りのリフレッシュや、自分へのご褒美として、多くの方にご利用いただいております。
まずは無料カウンセリングへお越しください
「自分にはどんな矯正が合っているの?」
「ホワイトニングでどこまで白くなる?」 「お酒が好きだけど、治療できる?」
そんな疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ一度、当院の無料カウンセリングへお越しください。
あなたのお悩みやライフスタイルに寄り添い、最適な治療計画をオーダーメイドでご提案いたします。
無理な勧誘は一切ございません。まずはリラックスして、お話をお聞かせください。
皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。
参考文献
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- Makrygiannakis MA, Athanasiou CA, Kaklamanos EG. May alcoholic and non-alcoholic drinks affect the rate of orthodontic tooth movement? A systematic review of animal studies. Eur J Orthod. 2023 Apr;45(2):186-195.( アルコール飲料とノンアルコール飲料は、矯正歯科における歯の移動速度に影響を与える可能性があるか?動物実験のシステマティックレビュー)
- Münchow EA, Távora WS, de Oliveira HT, Machado LS. White diet is not necessary during dental bleaching treatment: A systematic review and network meta-analysis of clinical studies. J Dent. 2025 Feb;153:105459.( 歯の漂白治療中に白い食事は必要ない:臨床研究のシステマティックレビューとネットワークメタアナリシス)
- Hardan L, Bourgi R, Flores-Ledesma A, Devoto W, Devoto E, Fernández-Barrera MÁ, et al. Is a White Diet Necessary for Tooth Bleaching Procedures? A Systematic Review and Meta-Analysis. Dent J (Basel). 2024 Apr 22;12(4):118.( 歯の漂白処置には白い食事は必要か?システマティックレビューとメタアナリシス)








